世界では20種ほどの種が、食用に充分な大きさの種子をつけ、食用に適する。日本人にとって身近な
クロマツや
アカマツの種子は、翼を有して風によって分散することもあって比較的小さく、食用にはあまり向かない。しかし、マツ科の植物の中には種子に翼がなく、
リスや
ネズミ、
カラス類のような貯食行動を示す種子食動物に種子を提供し、食べ残されたものが親木から遠く離れた場所で発芽するという種子散布様式を持つものがあり、これらは比較的大きな種子を形成する。このような大型種子を形成するマツ類の種子は古くから人類の食料としても利用されており、その食文化も
アジア東北部、
ヨーロッパ、
中東(東
地中海地方)、
北米大陸など世界各地に広がりを持つ。現代日本では、
朝鮮半島の
韓国料理や、
ヨーロッパの
イタリア料理における松の実利用が、比較的身近である。松の球果、つまりいわゆる
松ぼっくり(松笠)を構成する
鱗片を剥いて取り出したあと、煎ったり、揚げたりして加熱し、そのまま食用にしたり、料理に加えて食べる。