ウミショウブは日本の沖縄県の
西表島および石垣島とその周囲の海域で見られるが、これらの地域が本種の分布の北限にあたる。浅い海に生息する。受粉の方法が特殊で3mmほどの花を海面に浮かべて受粉する。西表島では開花は5-9月に見られる
[横地洋之, 1985. 海に咲く花 ? 西表島のウミショウブについて ? 海中公園情報 64: 7-9.]が、受粉するのは
夏の
大潮の日の3時間に限られており、短時間で無数の
花(
雄花)が海面に浮かべられる。花は滑らかに水の上を走りまわる。その量は周辺の海が花の色で白く染まるほどである。このような方法で受粉するのは世界において、ウミショウブのみである。花びらの内面は水をはじくようになっているため沈みにくくなっている。雄花が海面上に開花した雌花にたどり着き受粉が行われる。受粉後の成長した
実の中には約十個ほどの
種が入っている。この実が熟して弾けると、種が散らばり根付く。
ウミショウブの雄花は花びらの片側が親水性、反対側が疎水性と別々になっているため水の上でも立つことができる。一方、
雌花は海底近くから伸びた柄によって支えられており、雄花のように水の上を走りまわることはない。雌花は雄花よりも大きく、雄花を捕まえることができる形をしている。捕まえた後、潮が満ちてくると雄花を捕らえたまま水の中に入っていき受粉を完了する。