そして後に英雄
ヘーラクレースが、アトラスを頼って訪れて来た。彼はヘスペリデスの庭園から
黄金の林檎を取り、
ミュケナイへ持ち帰るよう命じられた(ヘーラクレースの11番目の功業)のだが、肝心の庭園の場所が分からなかった為、コーカサス山に縛り付けられていたプロメーテウスを救い出し、彼に助言を求めた。そして彼からアトラースの所へ行ってみてはどうかと言われたのである(アトラースは庭園に住む
ヘスペリスたち(ヘスペリデス)の父であった)。ヘーラクレースから黄金の林檎を手に入れたいと相談されたアトラースは、自分が天空を支える重荷から逃れたい事もあり、ヘーラクレースに対して、自分が庭園に行って林檎を持ってくるから、その間天空を代わりに支えて欲しいと頼んだ。こうして天空をヘーラクレースに任せたアトラースは庭園に行き、林檎を持って帰ってきた。しかし、再び天空を背負う事が嫌だった彼は、ヘーラクレースに対し、このまま林檎をミュケナイまで届けてやるから、もうしばらく天空を背負っていてくれと言った。勿論これはアトラースの企みであった。ヘーラクレースはその事に気が付き、逆にアトラースを騙すことにした。彼は、アトラースの言う事に納得したふりをしつつも、このままの背負い方を続けるのは辛い、どうすればもう少し楽に背負えるか教えて欲しいと言った。結局、この言葉にアトラスは騙され、彼が天空を背負って見本を見せている間に、ヘーラクレースは林檎を手に取り、
エウリュステウス王に渡すべくミュケナイへ行ってしまった。こうしてアトラースは再び天を背負う事になった。なお、この他、アトラースが林檎を持ってヘーラクレースの所に帰ってきた時、(渋々ではあるが)自分で再び天空を背負い、ヘーラクレースに林檎を渡して帰らせたと語られる事もある。
別の神話によれば、
メドゥーサを討伐した
ペルセウスがアトラースの元を訪れたとき、ペルセウスが持っていたメデゥーサの首により、アトラースは石と化す事となった。なお、その経緯については諸説あり、天を支えるという重荷に耐えかねたアトラースが、ペルセウスに頼んでメデゥーサの首を見せてもらい、石と化して、重荷から解放されたという話や、ゼウスの息子が将来、自分の黄金の林檎を奪いに来るだろうと聞かされていたアトラースが、自分を訪ねてきたペルセウスを追い返そうと、あるいは殺そうとした(ペルセウスはゼウスと
ダナエーとの間に生まれた子であった)為、逆上したペルセウスによって石と化した話等がある。そして、アトラースが石となった名残りが、
アトラス山脈であるという。