アッケシソウの茎は濃緑色で高さ10cm〜35cm、円柱形で節を形成し、節から枝が対生する。また、退化した燐片状の葉が節部に対生する。8月〜9月には、茎および枝の先端部が円柱状の
穂状花序をなし、
葉腋のくぼみに3個の花が対となり、一つの節に6個の花器を形成する。3個の花のうち、中央に位置するものを
中央花、その両側に位置するものを
両側花と呼ばれ、中央花からは
大粒種子、両側花からは
小粒種子と呼ばれる大小2種の種子を形成する。このことからアッケシソウは花器と種子に
二形性が認められている。
大粒種子は環境ストレスに強く、
小粒種子は休眠期間が長いことから群落の維持に関与する事が推測される。この植物の花器の特徴として、花被が退化し、雌ずいや雄ずいを包み込むようにがく片が非常に発達している。
アッケシソウは塩生植物の中でも、塩に特に強い耐性を示し、塩の存在に依存的な植物である。生育過程が進むにつれて、塩を蓄積することにより耐塩性を獲得する強塩生植物である。この生理的耐塩性機構は、過剰な塩類の液胞内への蓄積と連動して、浸透圧を調整する細胞適合物質である
グリシンベタインを合成、蓄積することにより、細胞質の機能を保護、強化している。
北海道以南では宮城県、愛媛県および香川県の
塩田跡地で生育が確認されていたが、これら塩田跡地が開発によって住宅地や工業団地などに転用された事に伴い、アッケシソウ群落はほとんど絶滅に近いとされている。2003年末に、
岡山県浅口市の寄島干拓地で自生していることが確認され、2004年に住民らが「守る会」を発足。自生地の保護や生態調査を行っている。また、岡山県には瀬戸内市の
牛窓町、
邑久両町にまたがる錦海塩田跡地にアッケシソウが自生している。しかし、この跡地に存在するアッケシソウは植物愛好家が香川県の塩田跡地より持ち帰ったアッケシソウの種子を蒔いたと文献に残っている事から、保護に成功した珍しいケースの場所と言える。
環境省のレッドデータブックでは近い将来に絶滅の危険が高い種(EN)に指定され、さらに近年では地盤沈下や湖岸の侵食により、年々減少しているとの報告がある。最初に自生が確認された厚岸湖では最奥部に僅かに見られるだけになっている。一方で能取湖南岸の網走市
卯原内地区では塩湿地をトラクターを用いて耕起し、他の塩生植物を抑制させる事によって国内最大級のアッケシソウ群落を維持し、毎年秋には20万人が訪れる観光名所になっている。